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【7分で分かる!】事業再構築補助金がいよいよ公募開始

読了予測時間:約 7 分

引き続きコロナウイルス感染症の影響が続くなか、2021年の経済対策の目玉として発表された「事業再構築補助金」。
予算は1兆円以上採択予定企業数5万社以上、中小企業であっても補助上限が6,000万円と、過去類を見ない規模の補助金となっています。

この事業再構築補助金について、3月26日(金)に公募要領が発表されました。
今回は、この公募要領に基づき、事業再構築補助金の概要と、申請に向けた手続きの流れの概要をまとめます。

なお、本記事は3月28日現在の情報に基づいております。

(前提)中小企業者とは

本記事は、分かりやすさを優先するため「中小企業者」に該当する場合に限定して記載しています。
「中小企業者」の定義は以下の通りです。(公募要領より)

なお、株式総数の半数以上を大企業が保有している場合など、みなし大企業に該当する場合は対象外となります。

申請類型

本補助金は、通常枠、卒業枠、グローバルV字回復枠、緊急事態宣言特別枠の4種類の類型があります。
このうち、中小企業の場合には原則として「通常枠」または「 緊急事態宣言特別枠 」での応募となります。

補助率および補助金額

通常枠の場合、補助率2/3補助金額上限は6,000万円となります。
緊急事態宣言特別枠の場合、補助率3/4補助金額上限は500~1,500万円となります。(従業員数によって異なります)
なお、緊急事態宣言特別枠で応募した場合、まずは緊急事態宣言特別枠の応募案件の中で優先審査が行われ、採択されなかった場合、再度自動的に通常枠での審査が行われるため、採択率の面では有利となります。

応募のための要件① 【事業再構築要件】

本補助金で独特なのは、この事業再構築要件です。
内容は以下の通りですが、単に設備を買い替えたり小粒な新商品・事業を始める、というのではなく、事業の構造自体を抜本的に改革することが求められます。

具体的には、「事業再構築指針」に記載されている以下の5つの類型のいずれかに該当している必要があります。

1. 新分野展開

新たな製品・サービスの提供を行うこと(製品の新規性要件)
新たな顧客・市場向けの売上を確保すること(市場の新規性要件)
3~5年後に本補助金で実施する事業の売上が売上全体の10%以上になる計画を策定すること(売上高10%要件)
の3要件を満たす必要があります。

2. 事業転換

上記同様の製品の新規性要件、市場の新規性要件に加えて、
3~5年後に本補助金で実施する事業が全社で最大の売上構成比を占める計画を策定すること(売上高構成比要件)
を満たす必要があります。
また、本補助金で実施する事業が、日本標準産業分類の中分類、小分類又は細分類レベルで、現在行っている主たる事業と異なる必要があります。

3. 業種転換

事業転換と同様、製品の新規性要件、市場の新規性要件、売上高構成比要件を満たす必要があります。
また、本補助金で実施する事業が、日本標準産業分類の大分類レベルで、現在行っている主たる事業と異なる必要があります。

4. 業態転換

本補助金で実施する事業が製造の事業である場合、上記の製品の新規性要件に加えて、製品等の製造方法等が新規性を有するものである必要があります(製造方法等の新規性要件)。
本補助金で実施する事業がサービス業や小売業・卸売等の事業である場合、既存の設備の撤去や既存の店舗の縮小等を伴うもの又は非対面化、無人化・省人化、自動化、最適化等に資するデジタル技術の活用を伴うものである必要があります(設備撤去等又はデジタル活用要件)。
またいずれの業種の場合も、売上高10%要件が必要となります。

5. 事業再編

上記の1~4に伴い、会社法上の組織再編を行う必要があります。

応募のための要件② 【売上高減少要件】

申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している必要があります。

なお、緊急事態宣言特別枠の場合は、令和3年の国による緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等による影響を受けたことにより、令和3年1月~3月のいずれかの月の売上高が対前年又は前々年の同月比で30%以上減少している必要があります。

応募のための要件③ 【認定支援機関要件】

事業計画を認定経営革新等支援機関と策定している必要があります。
なお、当社は認定経営革新等支援機関です。

応募のための要件④ 【付加価値額要件】

補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定する必要があります。

なお、付加価値額とは、営業利益、人件費、減価償却費を足したものをいいます。

補助対象経費について

通常の補助金では、建物に関する費用は対象とならないことがほとんどです。
しかし、本補助金では建物の建設・改修・撤去・原状回復に要する経費も補助対象になるのが大きな特徴です。

なお、 機械装置・システム構築費 はもちろん対象となります。
また、 技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費がある場合も対象となります。

ただし、50万円以上の物件の場合は原則として相見積りを取る必要があります。
また、中古設備の場合は3社以上の相見積りが必要となります。

補助対象外となる代表的な経費は以下の通りです。

  • ・事務所家賃、水道光熱費、通信費(クラウドサービス利用費を除く)、人件費、旅費、消耗品費、交際費、保険料、利息
  • ・パソコン、タブレット、スマホ、プリンタ、複合機、家具等、汎用性のある備品
  • ・車両(公道を自走できないものを除く)
  • ・資産運用的な事業のためのもの(賃貸用不動産等)

保険について

補助金額が1,000万円を超える場合、本事業により建設した建物等の施設又は設備を対象として、付保割合30%以上の保険又は共済(補助金の交付対象である施設、設備等を対象として、自然災害(風水害を含む。)による損害を補償するもの)への加入義務が課されます。(小規模企業者の場合は任意)

申請準備について

本補助金は電子申請のみでの受付となっております。
そのため、事前準備として、gビズIDプライムアカウントを取得する必要があります。

手続はgビズIDホームページから行うことができます。
申込から発行まで3週間以上かかることがあるとのことなので、早めの申込をお勧めします。

申請について

第1回公募の受付は4月15日(木)開始となり、4月30日(金)18:00が締め切りとなります。
なお今後も、第2回~第4回の公募が予定されています。
緊急事態宣言特別枠の公募は今回を含めて全2回のみの予定です。

事前着手申請について

原則として、補助対象となるのは交付決定後に正式発注・購入・納品・支払を行った経費のみとなります。
ただし、事前着手申請を行い承認を得た場合には、2月15日以降に正式発注・購入・納品・支払を行った経費も補助対象となります。

事前着手申請の受付期間は3月26日(金)~交付決定までとなっていますので、実務上は、申請書を完成させた段階で、申請と同時に事前着手申請も行うことになろうかと思います。

採択後の手続きについて

本補助金に採択された場合、その後交付申請、実績報告、補助金請求手続きを経て補助金が入金されることとなります。
そのため、経費については一旦自社で全額支払いを行い、後日補助金が入金される、という流れになります。

また、補助事業実施後5年間は、事業化状況報告を毎年行う必要があります。
その際、本事業実施の結果収益が生じている場合、一定の計算式に基づき、受け取った補助金額を上限として収益納付を行う必要があります。
そのため、多額の利益が生じた場合は、受け取った補助金額を全額返還しなければならないことも理論上はあり得ます。

当社へのお問い合わせについて

当社と税務顧問契約を締結して頂いているお客様については、お問い合わせは全て無料でご対応いたします。
(申請書の作成代行を行う場合は別途料金が発生いたします)

当社と税務顧問契約を締結されていないお客様の場合、本補助金については初回相談料として30分1万円を頂きます。

最後に

要件が複雑かつ厳しい補助金ですが、内容は非常に手厚いため、本格的な事業改革を目指す経営者の方には非常に有用なものとなっています。
是非ご活用ください!

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